2019.11.01
“印刷”という言葉で一括りにされがちな「製本」工程ですが、 製本を専門として行う会社も多数あり、製本技術も多種多様な進化を遂げています。
その中でも革命的な進化を遂げたのが、新型接着剤「PUR」を使用した製本です。
当社では積極的にPUR接着剤を使用した製本を勧めております。
それはPUR製本の持つ数々の魅力があるためです。
【PUR製本のススメ】第2回は、PUR製本の大きな特徴の一つである
「強固な接着力」について説明したいと思います。
皆様にもご経験は、ないでしょうか?
・本をもっと開こう、開いたまま固定しようとグイグイと押していたら、次第にページがバラバラと抜けた。
・キレイにコピーを取ろうと何度も本の背を押して開いていたら、中央のページから抜け落ちてしまった。
・ホッチキス綴じ(中綴じ)してある本のホッチキスが劣化していて、ページがバラバラと抜けた。
従来の製本用接着剤(ホットメルト)は大きく本を開こうとすると接着剤の剥がれが発生し、徐々に本が傷みます。結果、ページが抜けたり、表紙が外れたりします。
しかしPUR接着剤の場合、その強固な接着力により、開くたびに引っ張られるページをがっちり掴んで離さず、ホットメルトと同様のことが起こりにくくなります。
実際の引張り強度は、ホットメルトの2倍以上という数値が、当社の引張り強度試験の結果、出ております。
引張り強度試験用サンプル冊子:A4判変形(ヨコ 220 mm × タテ 294 mm)80ページ アートコート紙
P6(表紙側) |
P40(中央部分) |
P76(裏表紙側) |
平均強度 |
推奨強度 |
|
ホットメルト | 19.3 kg | 16.3 kg | 25.3 kg | 20.3 kg | 0.7 kg/cm |
PUR | 55.0 kg | 46.0 kg | 39.9 kg | 46.4 kg | 1.6 kg/cm |
↑ ↑
実にホットメルトの2倍以上の数値が出ています。
この実験結果から見てもPUR接着剤を使って製本された本は、ページ抜けされにくく、結果 傷みにくいといえます。
これまでの製本仕様の中で、最も耐久性があるのは「糸かがり製本」だと言われてきました。特に強度が求められる出版物に関しては「糸かがり並製で製本」されているのが現状です。
これは従来の製本用接着剤(ホットメルト)のみでは耐久力に不安があり、それを補うために糸かがりの併用が必要だったためです。
しかし、「製本用接着剤(ホットメルト)」+「糸かがり」を行うということは製本工期が長くなったり、コスト高になったりなど、いろいろと課題があることから、近年見直しも進められております。
今まで糸かがり製本していたカタログやマニュアル、教科書や参考書あるいはノートなどこれを機会にPUR製本に変えてみませんか?
次回はPURの最大の強み「よく開く」について説明したいと思います。(→PUR製本のススメ③【よく開く】編)
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